持続可能なスクアレンの調達：サメ由来スクアレンから発酵由来のスクアレンへの移行

従来、ワクチンに配合されるスクアレンはサメ肝油を原料としていました。より持続可能なスクアレンを求められるなかで、当社の糖由来スクアレンは、持続可能な調達だけでなく、サメ由来スクアレンと同等のベネフィットをもたらします。合成生物学の先端テクノロジーを用いて製造された当社の医薬品グレードスクアレンは高純度、かつ、優れた品質を誇っています。

スクアレンは強い生物活性を有する有機化合物です¹。天然油脂であるスクアレンをベースとしたエマルジョンは、強力な自然免疫応答や獲得免疫応答を引き起こすなど、さまざまなワクチンアジュバンド製剤において効果が認められ使用が進んでいます²。安全性が確立されていることもあり、現在、より持続可能な代替品を求める研究が始まっています。

ワクチンに配合されるスクアレン

ワクチンに配合されるスクアレンは主にサメから採取されます。そのため、今、スクアレンの環境への影響が懸念されています。外洋性のサメの数は1970年から2018年までに71.1%減少しました3。現在、外洋性サメ類の半数が絶滅危惧種とされています4。サメ肝油が原料として使われることから事態の悪化が続いているのです。サメの個体数の減少から、元々繁殖力が弱い（繁殖周期が長い）こともあり、種の存続が危惧されていますが、それだけではありません。サメの絶滅によって、スクアレンの供給不足をまねくおそれが浮上しているのです。

発酵由来のスクアレン

当社はスクアレンの持続可能な調達に道を開くことができたことを誇りに思います。当社の発酵由来のスクアレンには、酵母のイソプレノイド経路を介するAmyrisの独自技術が用いられています。その優れた精製技術により、ヒトや動物に投与可能な高純度のスクアレンの生成を実現しました。