独自の精製プロセスにより、製剤の保存期間を延長
先発医薬品と同等の安定性、安全性、生物学的同等性、剤形を有するジェネリック医薬品の製剤化は、非常に困難です。クローダの研究・技術スペシャリストであるJames Humphreyが、ジェネリック医薬品をより良く製剤化するために医薬品添加剤をどのように使用するか、また、クローダ独自の精製プロセスによって製剤の保存期間をどのように延長できるかについて説明します。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同等の安定性、安全性、生物学的同等性、投与経路、剤形となるように製剤化しなければなりません。ジェネリック医薬品では有効成分は変わらないとはいえ、このような基準を満たすために妥当な医薬品添加剤を用いた製剤化は、溶解度の低さ、物理的・化学的不安定性、効果的なドラッグデリバリーができないことなどから困難な場合がある、とJames Humphreyは言います。
「ジェネリック医薬品の製造においては、医薬品添加剤によって、安定性や生物学的同等性の必要を上回るさらなるメリットを得ることができます。例えば、小児用経口医薬品では味への影響を低減し、患者のコンプライアンスを向上させることができますし、ソフトジェルカプセルでは架橋を低減し、より速く溶解するようにすることができます。」
Super Refined Polysorbate 80
Super Refined PEG 300
図1:Super RefinedグレードのPEG 400とPolysorbate 80の40℃における12週間の加速安定性試験中のエトポシド回収率を標準グレードと比較したグラフ。
エトポシドは、精巣がん、前立腺がん、膀胱がん、胃がん、肺がんなど、さまざまながんの治療に用いられる化学療法薬です。エトポシドはトポイソメラーゼ阻害薬であり、点滴静注(IV)用濃縮液と経口デリバリー用ソフトジェルカプセルの2つの剤形があります。 エトポシドのIV製剤にはPEG 300とポリソルベート80があります。
「我々の製剤設計チームは、エトポシドをSuper Refined PEG300とSuper Refinedポリソルベート80で再設計しました」とJamesは言います。40℃で12週間の加速安定性試験を実施し、Super Refined製剤と標準医薬品添加剤とで安定性を比較しました。安定性はAPI回収率(%)で測定し、結果を図1に示しています。
「12週間後、エトポシドは、とりわけSuper Refinedグレードにおいて安定性が高く、Super Refinedポリソルベート80ではほぼ100%、Super Refined PEG300では90%以上回収されました。