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ワクチンの持続可能性:主要施設の一つで脱炭素化を実現

Croda Denmarkの取り組み

 持続可能性は、多くの場合、将来の世代と現在の世代のニーズの両方を満足させることとと定義されています。それは、環境、経済、社会の3つの柱からなる長期目標で、個人、国家また世界レベルで取り組むことが可能です。サステナビリティに関するイニシアチブは、多くは環境に重点を置いており、気候変動、大気汚染、水質汚染、生物多様性の損失や、これらに影響を与える人間の活動(二酸化炭素の排出など)の問題に取り組んでいます。

 二酸化炭素排出量管理の重要性

大気中二酸化炭素排出量の削減は、パリ協定の1.5℃目標の達成に不可欠です。クローダ社は世界第3位の化学企業であり、Science Based Targetが示す1.5℃目標の認定を受けています。また2050年までに実質ゼロを目標としています。

目標達成を評価するものとして、GHG(温室効果ガス)会計を行うことが求められています。これは、企業のGHG排出量を追跡する方法であり、次の3つのカテゴリーに分けて算定されます。

  • スコープ 1 – 企業からの直接排出。企業活動に用いる車両燃料の燃焼や、冷蔵設備や空調からの漏洩など一過性の排出、製造現場での製造を通じた排出などが対象になります。
  • スコープ 2 – 企業における間接的な排出。他社から購入するエネルギー生成時の排出などが対象になります。再生可能エネルギーの購入により削減することができます。
  • スコープ 3 – 企業のバリューチェーンにおいて生じる、その他すべての間接的な排出。製品やサービスの購入、廃棄物の処理、従業員の通勤などが対象となります。対象範囲が広いため、定義づけや追跡は困難になるおそれがあります。
     

blue icon led image depicting the scope for sustainability in vaccines

GHG会計を規定するGHGプロトコルでは、すべての企業に対しスコープ1とスコープ2の排出量を報告するよう求めていますが、気候変動に有効な対策をとる上で重要なのはスコープ 3の追跡と算定です。企業が上記のすべてのスコープの追跡を実現できれば、サプライチェーン上のどのポイントで変革を行うと、GHG排出量を削減し、地球温暖化を遅らせることができるかのアセスメントが可能になります。クローダ社は自社施設における持続可能性と脱炭素化に取り組むことを約束しています。

注目施設の紹介– Croda Denmark(所在地:フレデリクススンド、デンマーク)

Croda DenmarkはCroda Pharma社の専用施設であると共に、当社のアジュバントシステムプラットフォームの中核施設です。当社のアジュバントシステムプラットフォームはワクチンアジュバントの提供を通して、今日の製薬業界におけるワクチンの有効性の向上を支えるとともに、将来のワクチン製剤の実現に向けて、新たなワクチンアジュバントシステムの開発を行っています。Croda Denmarkはカーボンニュートラルの実現に向け、当社の小規模施設のなかでも先駆的な取り組みを実施しており、持続可能性の取り組みで他をリードし、2024年にカーボンニュートラル(スコープ 1及び2の排出量をゼロとする)の達成に向けて、その歩みを着実に進めています。当社の脱炭素化ロードマップが全製造施設において展開される以前から、その改革に着手しており、その結果、二酸化炭素排出量が2018年と比較して99.9%削減することに成功いたしました。この劇的な削減を実現した主な理由は次の2点です。

  1. 電気エネルギーを水力発電に転換したこと‐二酸化炭素を26トン削減
  2. 食品廃棄物由来のバイオガスを燃焼させ蒸気を生成させるボイラーに変更したこと‐二酸化炭素を282トン削減

これらの変革に加えて、さらにCroda Denmarkは、すべてのガス使用をなくす方法についてのアセスメントを進めています。将来的には、地域熱供給網を利用する温水供給計画を取り入れる予定です。

製薬業界は、温度や滅菌状態などの特殊な条件の維持が必要なためにエネルギーを大量消費しており、全世界の排出量の4.4%を占めています¹。

当社は、製薬業界に対するサプライヤーとして、2030年までに二酸化炭素排出量を50%削減する約束の実現に向けて、これからも努めてまいります。また、これに合わせて、2030年までに「気候・土地・人に対しプラスの貢献をする」という約束の達成を目指しています。

1.  https://noharm-global.org/sites/default/files/documents-files/5961/HealthCaresClimateFootprint_092319.pdf 

Vaccines for a sustainable future final

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